なぜ自動フォローメールは届かないのか?新機能開発の裏側に迫る

読了時間: 15分

最終更新日:2025年11月24日 01:20(月) JST
執筆者:オウンドメディア編集部
監修者:AIマーケティング事業責任者
読了時間:約7分

新機能開発の裏側で起きた「見えない不具合」とは?

営業活動の効率化を目指す新機能開発の最終段階で、エラーログにも残らない不可解な不具合が発見されました。

A(インタビュアー):本日はよろしくお願いします。名刺情報のデータ化からフォローメールの自動送信までを一気通貫で行う新機能について伺います。開発の最終段階で、ある不可解な不具合が見つかったそうですね。

B(開発責任者):はい。まさにリリースを目前に控えたテスト段階でのことでした。名刺画像をシステムにアップロードすれば、設定されたテンプレートに基づき商品案内メールが自動送信されるはずが、特定の条件下で後続の処理が全く動かないという現象が報告されたのです。

A:それは深刻な問題ですね。発見のきっかけは何だったのでしょうか。

C(営業企画担当):私自身がユーザーとしてテストを行った際に気づきました。この機能には非常に期待していたのですが、何度試してもシステム上のステータスが「メール受信のみ」で止まってしまう。メール自体は受信トレイに届いているのに、肝心のフォローアップが実行されないという、奇妙な状況でした。

この一件は、単純なバグ修正に留まらない、より複雑な問題の始まりを示唆していました。

なぜシステムは正常に動かなかったのか?

調査の結果、エラーログには一切記録が残っておらず、原因の特定は困難を極めました。

A:エラーも記録されず、アクションだけが停止するというのは、原因の切り分けが難しそうですね。開発チームではどのように調査を進めたのでしょうか?

B(開発責任者):はい、まずは基本的なチェック項目から一つずつ潰していきました。送信元と送信先のアドレス設定、件名がテンプレートに正しく登録されているか、添付された名刺画像が読み取り可能な形式か、などです。しかし、どれも基準を満たしており、システムが処理を停止する明確な理由が見当たりませんでした。

A:エラーログにも手がかりはなかったのですか?

B(開発責任者):それが、全くなかったのです。ログ上はすべて正常に処理されているように見える。ここが最も頭を悩ませた点です。エラーがないのに、機能しない。まるで煙に巻かれたような感覚で、調査は一度暗礁に乗り上げました。

開発チームは、目に見える証拠がない中で、仮説を立てては検証するという地道な作業を繰り返すことになりました。

成果とプロセス

調査の転換点

A:調査が難航する中、何か突破口は見つかったのでしょうか?

B(開発責任者):ええ、チーム内で何度も議論を重ねる中で、ある一つの可能性にたどり着きました。それは、テストで使われた名刺画像の「会社名」に関するものでした。

C(営業企画担当):私がテストで使用した名刺は、実在する社員のものではありましたが、会社名の欄に便宜上「仮」という文字列を加えていたんです。それが影響している可能性は全く考えていませんでした。

B(開発責任者):この「仮」という二文字が、システムの特定のロジックに想定外の影響を与えているのではないか、という仮説が浮上したのです。これは、私たちにとって大きな転換点でした。

一見すると些細な文字列が、システム全体の動作を左右する可能性が見えてきた瞬間でした。

精度を揺るがす意外な盲点

A:「仮」という文字列が原因かもしれない、というのは驚きです。具体的には、どのような検証を進めているのですか?

B(開発責任者):現在、この「会社名に含まれる特定の文字列と、メール送信機能の不具合との関連性」について、集中的に検証作業を進めています。もしこの仮説が正しければ、特定のキーワードをシステムの予約語として扱う処理に、想定外の抜け漏れがあったことになります。

A:なるほど。ユーザーが入力するあらゆる文字列を想定し、システムの精度を高めていく必要があるわけですね。

B(開発責任者):その通りです。今回の件は、ユーザー体験の細部にこそ、システムの品質が表れるということを改めて教えてくれました。原因を特定し、より堅牢なシステムを構築することが急務です。

この一件から得られた教訓は、今後の開発プロセス全体に活かされていくことでしょう。

今後の方向性

原因の特定を急ぐと同時に、再発防止策を盛り込んだ上で、より信頼性の高い機能としてリリースを目指します。

A:今後の具体的なスケジュールや、機能リリースに向けた意気込みをお聞かせください。

B(開発責任者):まずは、今回の仮説を完全に立証し、根本原因を特定します。その上で修正対応を行い、同様の問題が二度と発生しないよう、入力データに対する検証ロジックを強化する予定です。ユーザーの皆様にストレスなく、そして安心して使っていただける機能を届けるため、チーム一丸となって全力を尽くします。

A:最後に、この機能を待っているお客様に向けて一言お願いします。

B(開発責任者):リリースが目前でこのような事態となり、ご期待いただいている皆様には大変申し訳なく思います。しかし、この経験を糧に、必ずや皆様のビジネスを加速させる、本当に役立つ機能として完成させることをお約束します。もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。

開発チームの挑戦は、ユーザーに最高の体験を届けるというゴールに向けて、今も続いています。

まとめ

今回は、新機能開発の裏側で起きた「見えない不具合」との闘いについて、担当者の方々に伺いました。

一見些細に見える「仮」という二文字が、システム全体の動作に影響を及ぼす可能性を示した今回の事例は、ソフトウェア開発の奥深さと、地道な検証プロセスの重要性を浮き彫りにしました。エラーログに残らない問題に対峙し、仮説と検証を繰り返す開発チームの姿勢こそが、プロダクトの品質を支える基盤となっています。

彼らの挑戦が実を結び、革新的な機能が世に出る日も、そう遠くはないのかもしれません。


メタディスクリプション:
新機能開発で発生した「メールは届くがアクションが起きない」謎の不具合。エラーログにも記録がない中、開発チームが辿り着いた意外な仮説とは?原因究明に挑む現場のリアルな声と、地道な検証プロセスの重要性に迫ります。

執筆者:株式会社ライトアップ 西村果林

社会人3年目。AIサービスの企画・運営を担当し、「ハチドリHR」「つばめりード」の開発に携わっています。
SaaSチームのリーダーとして、技術と現場運用の両方をつなぐ役割を担い、外部エンジニアとの調整、機能設計、社内の自動化構築を進めています。

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社会人3年目。 AIサービスの企画・運営を担当し、「ハチドリHR」「つばめりード」の開発に携わっています。 SaaSチームのリーダーとして、 技術と現場運用の両方をつなぐ役割を担い、 外部エンジニアとの調整、機能設計、社内の自動化構築を進めています。 主な領域は以下の4つ。 ・AIサービスの企画・改善 ・開発チームとの連携/ディレクション ・業務効率化のワークフロー設計 ・導入企業のサポート “使いやすく、確実に成果につながるAI”を軸に、中小企業の業務改善・採用DXを推進しています。

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